ハチャトゥリアン楽団のJazzコラム
第5回「Meet Me On Frenchmen Street」
第五回は「Meet Me On Frenchmen Street」と題し、近年注目されている音楽ストリート、フレンチメン・ストリートをご紹介します。
まずは、フレンチクオーターの地図を見ながら説明いたしましょう。
(フレンチクオーターの場所については、第三回をご参照ください。これは、2011年春にフレンチクオーター内で入手した地図に、書き足しました。)

ネオンの明かりと音楽が絶えず、日夜観光客であふれる王道の音楽ストリートといえばバーボン・ストリートですが、より地域に密着した音楽ストリートとして、近年注目されているのがフレンチメン・ストリートなのです。地図の右手に黒く記したところ、碁盤の目のような街並みのフレンチクオーターを少し外れたところにあります。
ネオンではなく、木製の看板を掲げた十数件のライブハウスが軒を連ねるこの地域では、ニューオリンズや近辺の地元出身のミュージシャンたちによる、幅広いジャンルの音楽に出会うことができます。
「Meet Me On Frenchmen Street」Shamarr Allen
「Meet Me On Frenchmen Street」Shamarr Allen
Release & Recording Date: 2007
TRACK LIST AND REALAUDIO
1.Meet Me On Frenchmen Street
2.St. James Infirmary
3.When You’re Smiling
4.Yes Suh!
5.Blues For Chester
6.Milenburg Joy
7.It’s Only A Paper Moon
8.Do You Know What It Means To Miss New Orleans
9.Saints Medley
音楽もすごいが、参加ミュージシャンがすごい。
現在HBOが制作しているドラマ「Treme(ハリケーン・カトリーナから3ヵ月後のニューオリンズ、トレメ地区を舞台にしたTVドラマ)」にも出演している売れっ子トランペッター、カーミット・ラフィンズも歌で参加しています。
PERSONNE
Shamarr Allen – trumpet, vocals
Stephen Walker – trombone
Dr. Michael White – clarinet
Calvin Johnson – saxophone
Byron Bernard – saxophone
Irvin Mayfield – trumpet
Herbert Stevens – percussions
Thaddeus Richard – piano
David Pulphus – bass
Bob French – drums
Herlin Riley – drums
Kermit Ruffins – vocals
Paul Sanchez – vocals
Ellen Smith – vocals
Hot 8 Brass Band
Original Royal Players Brass Band

アルバム最後の曲、「Saints Medley」も、おなじみ「聖者の行進」のテーマから、次々とブラスバンドの違う曲が登場します。このアルバムで演奏されている曲の他にも、日本でもなじみ深いアメリカ愛唱歌「赤い川の谷間(Red River Valley)」や「上を向いて歩こう」のメロディーを、「聖者の行進」の中で演奏することもあります。ジャズの遊び心の一つです。
今年2011年の春には、フレンチメン・ストリートで活躍するミュージシャンを集めた、コンピレーションアルバムも発売されています。こちらの1曲目もMeet Me On Frenchmen Streetですね。
Frenchmen Street (Sounds of New Orleans Series)

2.You’ve Got To Be Crazy to Live in This Town – Alex McMurray
3.When The Hoodoo Come Down – Jesse Moore
4.Dumaine Street Blues – Glen David Andrews
5.Alright Alright – New Orleans Nightcrawlers
6.Mardi Gras Carnival – Margie Perez & the King Cake Babies
7.Exit To Mystery Street – Paul Sanchez
8.Shake Your Rugalator – Craig Klein
9.Down at the Jazzfest – Holley Bendtsen & Amasa Miller
10.Stew Called New Orleans – John Boutté & Paul Sanchez
11.Sougouya – Matt Perrine & Sunflower City
12.Louisiana 1927 – John Boutté*
(LIVE FROM THE 2006 Jazz & Heritrage Festival)
今回ご紹介したCDや、他のジャンルのCD、レコードも手に入る、ニューオリンズでもっとも有名なレコード屋さんをご紹介いたします。最初の地図で黄色い◎で記した場所にある、「Louisiana Music Factory」です。店内は地元ミュージシャンの写真で飾られ、時々インストアライブも行われています。

なかなかニューオリンズへ行けない方のために、オンラインショップもあります。
こちら「Louisiana Music Factory(英語のみ)」http://www.louisianamusicfactory.com/

Jazz活というよりも、ニューオリンズ活動、NOLA活(New Orleans, Louisiana=NOLA)と言ったほうがいいのかしら。しかし、ニューオリンズは確かにJazzの都です。 See you later, Alligator! By ハロ